ジャスミーナ |
現時点において国際法として存在するルールとその中身や、そこに至るまで歴史の知識は、国際関係を自分で考えてみるためには必須であることはよくわかります。細かく知るのは必要に応じててよいことも理解できます。
ここでは読後の感想を一つだけ書いておきます。国際法の世界においても、争いごとの解決や防止に大事なことは、力ずくではなくて話し合いによってルールを定め、それを守ることができるような状況を作り出すということなのだ、ということです。人間社会は長いこと掛かって、永遠に十分とは言えないかもしれないとしても、「法治国家」を作り上げてルールの決め方や守らせ方を工夫してきました。ここで、守らせ方は力ずくであるほかはない、と考えることは現実を直視すれば間違いとは言えないでしょう。しかし、国際法においてはこの考えは効力を激減させ、結局より根本的原理、つまり平和共存には人々が話し合いによって、内的強制力を持ち合うほかはないのだ、更に長い時間をかけて、共に亡びる前に、と感じました。