レッド・レオナルドダヴィンチ |
帯には「本当のSOS]を埋もれさせないために何が出来るのか?」と書いてある。東日本大震災および同時に生じた福島原発大事故の後にNHKを退社独立して様々な災害現場を自身で取材した著者の動機が表現なのだろう。ファクトチェックシステムなどネット技術を社会に役立つように利用するという前向きなやり方も現実に出現してきているようだが、 そもそも情報へのアクセスとして、「パブリックアクセス」と「オープンジャーナリズム」という分類で捉えると良いのではないかという指摘は参考になる。パブリックアクセスとは、「国家が有する資源は国民でありあれば誰でもつかうことができる」という権利で、電波はまさに国が管理するものであるから、国民は当然電波を自由に使う権利があるという考えかたです。公共財としての電波を使用する権利は、アクセス権、人権のひとつだというのです。オープンジャーナリズムとはSNSなどの発達に伴って議論されるようになった概念で、従来、編集権を主張し特定の職業メディア人たちによって行われててきた取材、執筆、撮影、編集作業に、一般の非メディア人が作成者の一人として係わる取り組み指します。と、説明されている。
著者は、20世紀のメディアは歴史の後退が起こったと考え、このような参加型、協業型のニュースメディアの実現は、国家主義や過剰な商業主義の台頭で奪われた「知らせる権利」の人々に取り戻す、新たな民主主義運動と重なるものだととの認識して、市民ニュース「8bitNews」を立ち上げての活動もしているそうです。面白そー。