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アダム・スミスの『諸国民の富』は、大内兵衛先生の訳で岩波文庫5冊に収録されている本の題名で一般に『国富論』と呼ばれている経済学の古典。
これを通読したのは2001年9月と記録にあるのだが、実はあまり記憶にないのだが、感想じみた文章が残っている。つまり当時は本書を読みたいという欲望からではなく、ただ教養として目を通さなければ恥ずかしいという気分で通読したのだろうが、それでも何か感じるところがあったのだろう。ここまでは、これからもこの読書日記の常套文句になるであろう言い回し。
スミスは、この著作以外の原稿は全て破棄することを友人に遺言し、構想から27年後に出版したとのこと。
第一編(労働の生産諸力における改善の諸原因について、また、その生産物が人民のさまざまの階級のあいだに自然に分配される秩序について)
経済学の基本的概念を理解出来る。先ず、経済的価値の源泉は労働にあること、生産力の源泉は分業にあることを示し、貨幣の意味、価格の意味、利潤の意味、地代の意味、賃金の意味などを説明している。
第二編(資材の性質、貯蓄および用途について)
経済学の基本的概念を更に追加して理解出来る。資本の意味と価値、利息の意味、資本が動員される法則
第三編(さまざまの国民における富裕の進歩の差異について)
都市の商業と農村の生産活動の関係、富裕の意味、それらの歴史的考察
第四編(経済学の諸体系について)
自由な経済活動が最大の富を生むという自由主義経済理論の原点が示されている。国家による経済への干渉は弊害のみをもたらす
第五編(主権者または国家の収入について)
省略
2019年10月の追記:現代は当時とは違うから、例えば自由な経済活動を放任すれば格差社会を生むし、さりとて共産主義は人間の自由を奪ってしまったのも史実になっているし、しかし、スミスの考えたことから今でも生かせる部分をくみ取れるという、そのこと自体に価値があるのだ。
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