夢香 |
2007年頃に読書会でデカルトの『省察』を紹介することになったときに、参考資料に付録として纏めたものを見つけた。ここでは感想文だけ掲載します。まとめたのは別ブログに掲載した⇒爺~じの「本の要約・メモ」
【感想】
数学や理科が好きな子は、この本を読むと良いと思いました。本当のことは、先人に学び ながらそれを批判できるくらい自分で考えることによって知ることが出来る、ということがわかるのではないでしょうか。
この本は今から370年ほど前に著された、近代学問・思想の原点が示されている古典です。もともと、当時のいわば先端科学技術に関する主著である「屈折光学」「気象学」「幾何学」の序として著されたもので、デカルト自身が、「この序説が長すぎて一気に読みきれないといけないから六部に分けてある(そんなに長いとは思えないのですが)」、と書いてあるほどですから、何が書かれているかは比較的容易に理解できます。
しかし、その内容には哲学的にとても深いものが含まれていて、それは、自然を対象にしたものに限らず「何が真理で何が偽物なのか」について考えるための方法なのです。真偽は自分で考え、自分で納得したものであって、他人のそれではないのです。知識を学ぶことも大切ですが、真偽を判断する方法を学ぶことは更に大切なのです。
デカルトの言葉としてよく引き合いに出される「我思うゆえに我あり」とは、デカルトが「何が真理で何が偽物なのか」ということをとことん突き詰めていった末に辿り着いた言葉だと思います。つまり、すべてが夢かもしれないと疑い尽くしたけれども、どうしても疑えないことが一つだけある、それは、そう考えているこの自分が考えている、ということ自体である、と。この思想は、先ず、自然科学をそしてその応用である科学的知識に裏付けられた技術を飛躍的に発展させました。あまりすばらしい発展だったので、その結果である知識に圧倒されて、デカルトが示したこの思想自体は現代においてかえって忘れられてしまったように思えます。 感想としては、数学や理科が好きな子は、この本を読むと良いと思いました。数学や理科だけではなくて、真理(本当のこと)を知ると言うことは、先人に学びながらそれを批判できるくらい自分で考えることである、ということがわかるのではないでしょうか。
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