新雪 |
とにかく好きなことをする場合はどんな苦難があろうともそれを楽しくしてしまうと言う原理に則って、日本では信じられないような出来事が日常茶飯事の国において、いつどこで発生するかわからないバッタを捕獲網を片手に追いかけている博士達の日常は、事前の計画とは無関係な偶然に支配される世界、バッタと一緒に生きている砂漠の世界、現代では殆ど失われた驚きと喜びの世界なのである。
もちろん研究目的は農作物の被害を防ごうという崇高なものではあるが、だから公的世界から少々の金銭を得ることが出来るのだが、博士はなぜかバッタが大好きで、おまけに自分を含めた人間が大好きなのであって、むしろそっちが大切なのだ。だからやけに楽しそうなのである。アフターコロナの世界に生きる人の生き方を指し示す本かも。本書の推薦人は哲学や歴史の会の仲間で、落語とジャズとダイビングが好きなキザな爺さん。面白かったよ。
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