アーレントの本は、ちくま学芸文庫の『人間の条件』と『革命について』などを読んで、政治哲学の哲学的根拠について、彼女はもっと知っているのかも知れないと思っていたところ、晩年の作『精神の生活』があることを知りました。というタイミングで、こちらの分野を専門とする先生に巡り会い、仲間とこの本を読む勉強会をさせていもらっています。
第二次世界大戦、どうしてそんなバカなことを、普通の人はやりたくもない事をやってしまう羽目に、あるいはやらされる羽目に陥ったのか、一応その昔に比べれば現代に近い民主主義の国家同士なのに、という謎を解く鍵を追い求めていくと、最後は政治哲学(政治学)の哲学(人間学)的根拠、言い換えれば日常において人々が共に生きていく生き様に行き着くだろうと思えるからです。但し『精神の生活』という本がどれほどこの期待に応えてもらえるものなのかは、読み終わるまではまだ先が長いから、分かりません(もし孫達が読む気になったら、原書の英語で読んだ方が良さそうですが)。長谷部恭男先生は、アーレントの民主主義に対する考え方には批判的でした。この点はこれからも考えたいと思っています。
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