人が生きていくためには、生物としての生存条件だけでは十分ではない事は多分誰でも気付いている。しかし、ではそれ以外に人は何を必要としているのかという問いに対しての回答は難しい。
プラトンは、そのことの本質を洞察した歴史上最初の人間であった。以後2500年を経た今日に至るまで、一部の哲学者と数多の普通の人々を悩ませ、ついには問わざるを得なかった本質を。もちろんプラトンが述べた個別の内容が今日の世界においてすべて妥当であるはずも無い。しかし、プラトンがその洞察を行うときに用いた哲学の方法は、今日においても尚有効である。
プラトンは何処かに「真実」があることを述べたのではなく、「普遍性」の概念が人をして冒頭の問いへの回答を可能にするのだ、と述べているのだと思う。
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