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本書の主題は「徳」の一部である「勇気」とは何か、についてのソクラテス(プラトン)の考えが書かれている作品。でも勿論例によって、はっきっりと「勇気とはコレです」とは書かれてはいなが、何か「よい」と呼ばれるものは「生における価値」を知っていてこそのもので、それが「徳」のひとつである「勇気」にとって一番大事なものだと言うことはよく伝わってくる。『哲学は対話する』での西さん言い方の理解が深まりました。
さらに、色々な箇所においてプラトンの初期対話篇に共通する考えが散りばめられ、また想起説風の説明が「多分分からないだろうが」といいながらなされていたり(『ラケス』ではホントに読んでもワカラン説明だが、『パイドロス』を読むとプラトンの考えのイメージがもう少し分かると思う)、市民は兵士として戦う(具体的にはカルタゴやスパルタとの戦争が日常手あった)ことが仕事であったとか、息子たちの出世を願う親心とか、当時のアテネ社会の有様が面白く描かれていたりして、プラトンの文才も本書でも堪能出来ます、短いし。
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