同じ著者による『現象学入門』竹田青嗣 (NHKブックス1989年)は少し専門的ではあるが、そうであるがゆえに同様な意味において更に衝撃的な本であった。読んだのは、2003年頃であるが、以降フッサールやハイデガーをはじめとする現象学からポストモダンにいたる本を読むたびに欠かせない参考書として何度も読み返すことになった。
ここで、2003年頃に行われた竹田青嗣先生(及び西研先生)の社会人向け哲学連続講座のノートメモから、現象学とは何かについて竹田先生が説明した記述を以下に抜粋してみた。
現象学は近代の認識問題を解く可能性を秘めた哲学思想・手法で、自然科学認識から個人の心の認識、社会の共通認識等を通して今後その有用性が期待される。人々が互いに信じるものが異なったときにこれを克服する手段はあるか?という問いに対して、カント、ヘーゲル、ニーチエ、は答えていないがフッサールは答えようとして現象学のプランを立てた。それは、人は各々の経験に基づいた「確信」を持ちその「確信」が成立する条件が存在しその条件を追い詰めていくと普遍的構造があると考えこれを解明すること、である。
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